池下のリノベーション工事は、石膏ボードが貼られて大分輪郭がはっきりしてきました。
今日はイケアの家具の組立て。
キッチンや洗面台はなるべく造作家具でつくってあげたいところですが、
大工さんがつくれるのはオープンな箱や棚まで。
引出しや扉付きの家具は家具工事になります。(職人さんのテリトリーが変わります)
家具工事はクオリティが高い分予算も高め。
でも引出しの方が便利な箇所は結構あります。
そこで、今回はイケアのシステムキッチン METOD(メトード)を造作家具のベースに使ってみることにしました。
イケアの配送サービスが意外とお値打ち
こんなにたくさん運んでも5,500円。マンションだと運ぶのが大変なので、すごくお値打ち感があります。
イケアビジネスというアカウントを取得すると、メールのやり取りでパーツセレクトをしてくれ、発注もお願いできます。
送料は400kgまで5,500円というリーズナブルな設定。 ※届け先によって変わるそうです。
しかも玄関先まで持ってきてくれます。
個人的に買う時は少量なので、配送サービスなんて考えもしませんでしたが、
業務レベルで考えると、専門業者の配送料は数万円になることもざらなので良心的な価格といえます。
METODキャビネットを組み立てる
早速組み立ててみます。
今回組み立てたのは、
・W80cm×D41cm×H80cm
・W60cm×D41cm×H80cm
・W40cm×D41cm×H80cm
・W30cm×D41cm×H80cm
の4つ。
もうひとつあったH220cmのハイキャビネットは時間切れでした。
作業時間は午後14時から17時すぎまでの3時間くらい。
組立て方を改善してみました
最初の1つは説明書どおり組み立ててみましたが、なんかやりにくいので勝手に改善してみました。
2個目から組立スピードが断然速くなったので、
そのやり方を記録しておきます。
1:底面を組み立てる
まずは底面から組み立てます。
これ自体は公式の説明書と同じ手順です。
側面の板(側板)には、木ダボとアンカー(金物)の2種類があります。
金物の方は側板につけて木ダボは底板につける、と説明書には書いてありますが、
取付穴が緩いので、全部側板の方につけてしまってOKです。
まずはアンカーを取付。
金物の取付けは電動ドライバーが楽ちんです。
次に木ダボを。
説明にはなかったのですが、木ダボが緩そうなので木工用ボンドを入れておきました。
金物と木ダボを取り付けたら、底板をはめ込む前に背面固定金具を取り付けます。
L型のごついやつです。キャビネットを壁に固定するためのもの。
説明書では組立後半に取り付けることになっていますが、先につけた方が作業しやすいです。
イケアの専用固定金具を使う場合と、直接壁に固定する場合で取付位置や必要なパーツが違うので注意が必要。
今回は大工さんに直接壁に固定してもらうので(職人さんに頼むなら、イケアの専用固定金具=別売品は不要だと思います)
白い樹脂のパーツを差し込んで、側板に取り付けます。
取付穴の位置は説明書を参照。
樹脂部分が側板の背面と揃うように取り付けます。
底板をはめ込んだら、上から見てL字になるように棚板をおこし、
背板を入れてから、反対側の側板をはめ込みます。
幅が60cm以上の場合は、背板が2つ折りになっているので
後からでも入れられそうです。
(しかし、ここは安っぽいですね。テープで止めてあるとは・・・。巾の広いキャビネットにする時は引出しにした方が良さそうです。引出しなら背板が見えません。)
2:底面の裏面に引き寄せ金具を取り付ける
側板と底面を組み立てたら、底面の裏側に金具を取り付けます。
説明書では、この金具の取付について何も書いていなかったのですが・・・ここがすごく大事。
※きちんと書いてありました。イケアさんすみませんでした。
同梱されている中に銀色のちょっと大きくて複雑な形をした金具が入っていると思います。
そして、裏面をみると、側板に取り付けたアンカーの頭が見えている穴があります。
この穴に、先の金具をはめ込んで、ネジを締め込んであげることで、
アンカーが側板をぎゅっと引張り、底板としっかりくっつけてくれます。
説明書ではここの説明が無く、上面の金具取付をすることになっているのですが、
前述した通りダボが緩いので、
組立てているうちに板同士がバラけてしまいます。
先に締め込んでしまえば底面が安定するので、この後の作業が楽になります。
3:上面金具を取り付ける
組み立てた本体をおこして、上面の金具を取り付けます。
イケアのベースキャビネットの場合、上面は板材ではなく、金物のレールを2本取り付けることになります。
このうち、背面寄りに取り付ける金具に、背板を支えるための樹脂パーツをはめ込みます。
写真の向きに取付け。一度つけると外せない(無理やり外すと壊れそう)雰囲気なので、向きを間違えないようにしなければなりません。
位置はスライドできるので大体で構わないです。
背面側を取り付けたところ。
正面側も取り付けます。
取り付け位置に、あらかじめビス穴(ネジを取り付ける穴)があいているので、特に迷う事は無いかと思います。
4:背板を釘打ちする
ここまでできれば持って動かせるくらいにはしっかりしているはずですが、最後に背板を固定します。
しかし、組み立てに釘を使うなんて想像していなかったのでちょっと焦りました。
カナヅチが無い・・・
大工さんに貸してもらい(現場で組み立てていたので)作用再開。
本体を倒して背面を上にしたら、ミシン目みたいな窪みに沿って釘を打って行きます。
打ち付ける順番は一応説明書に従いましたが、そんなに重要ではなさそうです。
角にスコヤをあてて直角を出します・・・といっても、
底板を引き寄せ金具で締め込んでおけば、ほぼ歪みは問題なさそうでした。
※ここでも、イケアの専用取付金具を使う場合と
直接壁に打ち付ける場合で取り付け方が変わってきます。
専用金具を使う場合は、釘でスペーサーを取り付ける必要がありますが、
今回は不要なので、不通に釘を打てばOK。
付属の釘を全て打ち終えたら、完成です。
取付は大工さんにお願いする
本体は3時間で4つできるくらい。なれればもっと早そうです。
出来上がった本体は、
大工さんに土台(家具の用語では台輪と言います)を作ってもらった上にのせて、
イケアの引出しパーツを取り付けた後、
建具屋さんに表面の扉材を取り付けてもらう予定です。
通常の工事では、大工さんの工事が全て終わった後に家具屋さんが来て取付を行うため、
どうしても家具と壁には隙間ができて、それを埋める部材が発生してしまうのですが、
こうしてあらかじめ箱を用意できると、
壁と家具を一体化した作りが可能になります。
扉の面材を建具屋さんの製作にすることで、見た目は完全な造り付け家具にみえるはず。
耐久面や、金具のスムーズなどのデメリットはありますが、
大工工事との連携やコスト的な面ではかなりのメリットがあります。
完成したころに、続きをご紹介できればと思っています。