4月に現場が始まった、池下のリノベーションでは
壁をラワン合板で仕上げます。

合板には「シナ合板」と「ラワン合板」、最近では「ヒノキ合板」やワンランク上の「バーチ合板」「メープル合板」などがあります。
本物の木が表面に張られているため、薄くても木の雰囲気を感じられることや、
大工さんが扱いやすい建材という事で、
設計事務所が好んで使う材料です。

合板によっても雰囲気が大分変わってきますが、
最近はラワン合板の落ち着いた風合いや塗料の吸い込みムラが少ないところが気に入って、
(かつ、もともと下地材として用いられていた経緯もあって、コストも抑えられます)
ラワン合板を採用することが増えました。



みよしの住宅では扉の面材に利用しています。

 

ところで、
その合板をどんな塗料で仕上げるか、
どんな色にするかは、毎回楽しくも悩ましい検討事項の一つです。

そして合板に塗る塗料は、天然素材主体の自然系オイルだけでも結構な数のメーカーが存在します。
オスモカラー、リボス、プラネットカラー、ワトコなどなど。
今回はオスモカラーにする事にしました。

理由は、
塗装屋さんが一番慣れている事と、
製品フォローの体制がしっかりしているから。

 
 
通常塗装色は「色見本」と呼ばれる木の小片に塗られた見本で色を選定します。
ところがそれらは大抵、明るい色の木材に塗っているため、
ラワンのような濃い色目の合板に塗った時のイメージがいまいちつかめません。

オスモカラーの色見本には「セン」という明るい色の木が使われています

 

そこで、
ホームセンターに行ってラワン合板を小さくカットしてもらい、
オスモカラーの吉田さんにお願いをして、塗料のサンプルをいただいて塗ることにしました。

1820mm×900mmの大きな合板を100mm×100mmぐらいになるようひたすらカット。ホームセンターの方が頑張ってくれました。

 

本当は大きければ大きいほどいいのですが、持ち運びや複数色並べるのが大変になるなので、これくらいのサイズにしました。

 

本国ドイツにはもっとたくさんの種類があるそうです。

 

コテバケという、スポンジの先にモップが張り付いたような道具で塗ります。

 
 

大体のメーカーさんは、塗ってみたい材料を送れば塗って送り返したくれる、というスタイルなのですが
送れない材料や、時間的に猶予が無い、
送るひと手間が面倒・・・という具合で
やっぱり、こうやって自分の手で試せるようにしてくれているのはすごく助かります。
(さすがに自然塗料メーカーの老舗ですね。)

もちろん塗料そのものもひまわりの油を主原料とした、人にやさしいオイルです。
塗りたてでも嫌な臭いはしません。

 

今回は12色程度のサンプルを製作。

思ったほど濃くはなりませんでしたが、それでも比べると違いがわかります。

 

池下のリノベーションでは
梁や天井をしっくいで、
壁をラワン合板で、
床をタイルカーペットで仕上げる予定でいます。

これまでと少し違う雰囲気になりそうで、
今からとても楽しみ。
他の仕上げサンプルと組み合わせて、
クライアントにご提案したいと思います。