兵庫県加古川市で進んでいる、物販店のスケルトン工事です。
内装は大学の同期が担当。僕は構造体~外装工事までを設計しています。
店舗デザインの会社に勤めている彼から
「いままでは居抜き(リノベーション)ばかりだったが、はじめて新築に挑戦することになったから手伝ってほしい」と相談をもらったのが4月、
そこから設計・見積・申請を行い、オープンが11月末なので住宅に比べてとてもスピーディーです。
この日は建て方が終わり、金物や筋交い・耐力壁の構造的なチェックへ行ってきました。
100坪=300㎡の広さに加えて天井高もあるため(1F~2Fで4m近くあります。)
同じ木造でもいつもとスケールが全然違っていて新鮮でした。
こういう大きな感じの住宅もいいな・・・
綺麗な現場です。
一通り雰囲気を確認して、構造チェックへ。
金物の取り付き状況は概ね問題なし。
耐力壁は所々、釘の打ち方を直してもらう事に。
こんかい使用しているダイライト((大建工業)に限らず、
構造的な性能を発揮するためには釘がとても重要です。
・釘の太さ/長さ
・釘を打つ間隔
・釘を打つ(面材の端からの)位置
・釘を打ち込む深さ
などなど。
中でも釘の打ち込み深さは難易度が高く、
機械の圧力を調整していても下地の木材の硬さにばらつきがある為、
釘が飛び出てしまったり入りすぎてしまったりします。
大抵どの現場でも目にするのが、釘の飛び出しを嫌って、打ち込みすぎ。
工事としてはテンポよくいきたい気持ちは分かりますが
深すぎると所定の性能を発揮できないため、
何カ所か指摘をして、改めて総点検をしてもらうようお願いしてきました。
屋根はガルバリウム鋼板の立平葺。
板金屋さんの仕事が素晴らしかったです。
屋根の頂部側の立上りという、強風時にも雨が吹き込まないようにする処理。
通常はシール処理で良しとするところを、
ガルバリウム鋼板(イメージは鉄板とほぼ同じ)を
まるでデパートの包み紙のように織り込んで作ってくれています。
厚み0.4mmと言っても鉄ですから、曲げるのはかなり力が要るのですが、1つ1つ丁寧に処理してくれていました。
多分120枚分ぐらいはあるはず・・・
上の絵で、1は問題外ですが
2や3は普通にみられます。
2の場合はシーリング材で隙間を埋めますが、
経年劣化を考えると2より3、3より4がより確実。
でも当然、その分手間は増えます。
こちらから何も指示しなくても、決して「この程度でいいや」とはならず
やるべきことをしっかりやる、という職人の気概を見た気がします。
検査は午後1時に始めて、6時くらいまでかかりましたが
晴れ晴れした気分で帰ってきました。